シャンペトルの世界観
僕は花仕事において”シャンペトル”というスタイルを基本の土台に置いています。
シャンペトルとは、フランス語で畑、田舎を意味するchamp(シャン)の意から、
まるで野原の花を摘みながら束ねたような、野趣溢れる花のデザインです。
従来の規則正しく花を配置し、凹凸ないかっちりとした半球体のブーケロンに対して、
雑草のような稲穂、枝、ツタなどを積極的に使うことが特徴です。
シャンペトルブーケに惹かれたのは、パリに留学中のときです。
今まで日本で見てきたスタイルとは全く異なっており、
しかしよく洗練されており、その瞬間に大変惹かれたのを覚えています。
フランスでは、自然に身を任せるというか、
型にはめずに無理な力をかけないことを美とする美意識があるのかもしれません。
(乗馬でもフランス式は馬に合わせて乗るスタイルだった記憶があります。)
シャンペトルでは枝の流れる様子や、
雑草のツルなどその有機的な線と、優美なバラやランなどを合わせます。
色と質感のコントラストを大切にし、
色は最低限に絞り込んで時にはメインの花と、グリーンの草花の2色ということもあります。その限りなく伝えたいものだけを残し、
削ぎ落とされて完成したシンプルで洗練感に溢れるブーケが僕は大好きで、
これからも追い求め続けます。
僕がシャンペトルに惹かれる3点。
①形式に当てはめず、草花の持つ曲線美など、自然のありのままを最大限アートに生かすこと。
②優美さと自然さのコントラストを明確に持たせ、見る人を惹きつけること。
③一方で全体には人工的な装飾などはせず、花の魅力だけを残し、シンプルに洗練されていること。
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